宇宙の法則・潜在意識

この宇宙は「私」という幻が見ている夢かもしれない

 

 

少し不思議な問いから始めさせてください。

 

あなたは今、本当にここにいますか?

 

スマホを握るこの手、画面を見るこの目。「私はここにいる」という感覚は、人生で最も疑いようのない事実に思えます。でも最新の脳科学と量子力学が示す答えは、私たちの常識をやさしく、しかし確実に揺さぶってきます。

 


脳は「現実」を見ていない

神経科学者アニル・セスの著書によれば、脳は外の世界を直接見ることができません。頭蓋骨という暗闇に閉じ込められた脳に届くのは、目や耳からの電気信号だけ。脳はその断片的な情報をもとに「おそらくこういう世界だろう」という予測映像をリアルタイムで生成しています。

 

これを彼は「制御された幻覚」と呼びます。

 

そして衝撃的なのは、その予測映像の中に**「自分自身」も含まれている**という事実です。

 

Googleマップの青い点を思い出してください。あれは現実の道路に存在する物体ではなく、GPS信号から計算されたアイコンに過ぎない。「私」という感覚も、脳が生存のために作り出したユーザーインターフェースに過ぎないのです。

 

a close up of a blue light in the dark


実験室で「幽体離脱」が起きた

2007年、科学誌Scienceに掲載されたある実験が世界を驚かせました。被験者はVRヘッドセットで自分の後ろ姿を見ながら、背中を棒で撫でられます。映像と感覚が完全にシンクロした瞬間、脳に「バグ」が発生。意識が肉体から抜け出す感覚が生じたのです。

 

さらに2015年の実験では、VRで「透明人間」になった被験者に大勢からの視線というストレスを与えると、なんとストレス反応がほぼゼロになりました。「見られる私」という自我の輪郭が消えることで、他者の視線への恐怖そのものが成立しなくなったのです。

 

仏教が何千年もかけて瞑想で到達しようとした「無我」の境地を、テクノロジーが数分で引き起こしてしまった。そう言っても過言ではないかもしれません。

 


量子力学が示す「もう一つの現実」

ここで視点を宇宙規模に広げてみましょう。

量子力学の世界では、素粒子は観測されるまで「波」として無数の可能性が重なった状態で存在しています。観測した瞬間に初めて「粒」として確定する。これは二重スリット実験によって何度も繰り返し確認されている、紛れもない事実です。

 

つまり**「見ていない時の世界」は、まだ確定していない**のです。

 

これは脳科学が示した「私は脳の予測が作り出した幻」という話と、驚くほど重なります。私たちが「現実」と呼んでいるものは、意識という観測者が波の可能性を一つに収束させた、いわば「その瞬間の確定値」に過ぎないのかもしれません。

 

そう考えると、全ての苦しみは「私」という軸があって初めて成立するという話も腑に落ちます。私が恥ずかしい。私が怖い。私が死にたくない。その「私」自体が脳の計算結果であり、量子的な観測が生み出した一時的な確定値だとしたら、苦しみの居場所はどこに行くのでしょうか。

 


日本政府が掲げる「魂の解放計画」

こうした流れが、国家レベルのプロジェクトに繋がっていきます。

内閣府のムーンショット計画には、こう記されています。

 

「2050年までに、人が身体・脳・空間・時間の制約から解放された社会を実現」

 

 

サイバネティックアバターで一人が複数の身体を遠隔操作し、意識をデジタル空間に移す未来。量子力学が示す「観測者としての意識」と「私という幻」の研究が、この計画の根底に流れているとしたら、これは単なる労働効率化の話ではありません。

 

ただし、ここで避けられない問いがあります。意識をコピーしてデジタル空間に転送したとして、それは本当に「移動」なのでしょうか。スワンプマンの思考実験が教えるように、完全なコピーが目覚めた瞬間、オリジナルの「私」はスキャン室に取り残されたまま、です。

 

体からの解放とは、もしかすると「オリジナルを終わらせること」なのかもしれない。

 

purple and pink plasma ball


今日から使える「ゲームの攻略法」

難しい話を全部置いておいても、これだけは今日から使えます。

 

RPGゲームで自分のキャラクターがやられても、コントローラーを持つあなた自身は無傷ですよね。これと同じように、つらいことがあったとき、こう思ってみてください。

 

「今、私のアバターがダメージを受けているな」

 

脳科学的には、この「一歩引いた視点」はデフォルトモードネットワーク(DMN)という雑念回路を静める効果があります。量子力学的には、観測する視点を変えることで現実の確定のされ方が変わると表現できるかもしれません。

 

私たちは「私という幻」の中に生きながら、同時にその幻を外から眺めるプレイヤーでもある。この二重の視点を持つことが、脳科学と量子力学、そして古来の哲学が、それぞれ別の言葉で語り続けてきた知恵の核心なのかもしれません。

 

宇宙がまだ答えを隠しているとしても、今日という一日を少し軽やかに生きるためのヒントは、すでにそこにあるのかもしれません。

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